みなさんこんにちは。
作曲家、音楽講師の植松ヨシヒロです。
このブログはDTMや作曲、その他音楽関連情報を中心に発信しております。
今回は、デジタル系コンプレッサーの種類について説明します。
目次
コンプレッサー(コンプ)とは?
音楽機材におけるコンプレッサーは、音を圧縮することで音量のバラつきや音の粒立ちを整えたりして音を加工したり、音の質感に変化を加えるために使用します。
コンプレッサーについては下記の記事にて紹介しましたので、ぜひ合わせてご覧ください。
・【DTM】コンプレッサーの基本について(主要パラメータ4項目ほか)
デジタル方式のコンプについて
以前紹介した4つの方式はアナログ回路によるコンプレッサーですが、これから紹介するのはデジタル系のコンプレッサーです。
その一部について紹介します。
・DAWソフト標準搭載のコンプレッサー
・Waves Renaissance Compressor
DAWソフト標準搭載のコンプレッサー
CubaseやLogic Proなど、DAWソフト購入時に付属している標準搭載のプラグインです。
動作が軽くて音に対する反応速度も速いです。
Logic Proのコンプはパネル上部にVCA、Opto、FETなどのボタンがあり、動作モードを変えることができますので標準のコンプ1台で個性的なアナログモデリング系からクセが少ないデジタル系まで幅広く対応可能です。
CubaseのCompressorはクセが少なく反応が早いデジタル系ですが、音の反応に関しピーク(瞬間的なアタック感)かRMS(音の平均的な音圧感)か、もしくはどちらのモードを優先させるかを決めるツマミがあります。
ビンテージ系では別途Vintage Compressor(FET系)やTube Compressorが用意されています。
DAWソフト標準コンプレッサーの主な用途
各トラックに対し通常の圧縮としての動作なら楽器や歌声などソースを選ばず幅広く使えるかと思います。
Waves Renaissance Compressor
Waves社は老舗プラグインメーカーとしてとても様々なタイプのプラグインがあり、コンプレッサーもアナログビンテージシミュレート系からデジタル系まで様々です。
そもそもプラグインなので全てデジタルではありますが、ここではWaves Renaissance Compressor(RComp)を挙げさせていただきます。
Renaissance Compressorはコンプとしてのオーソドックスなパラメータを備えているので操作がわかりやすく、基本的にDAWソフト標準コンプとほぼ同様に使えます。
・スレッショルド
・レシオ
・アタック
・リリース
・ゲイン
なお、レシオは0(1.00)から下に下げると通常のコンプレッサーとしての動作、
0(1.00)から上に下げるとエキスパンダーとしての動作となります。
また、以下のボタンを備え、デジタルなプラグインならではの機能もあります。
・ARC / Manual
ARC (Auto Release Control)はオートリリース機能で、リリースタイムを音に合わせて自動的に設定します。
ManualはReleaseのスライダー値を使用する際に設定します。
・Electro / Opto
Electroは電子式コンプのモードで、音圧を上げたりパンチを与えたりする際に適しています。
Optoは光学式コンプのモードで、ゆっくり柔らかいビンテージ系コンプの質感を求める際に適しています。
・Warm / Smooth
Warmは音の低域に倍音を加え、温かみのあるサウンドを求める際に使用します。
Smoothは極力倍音を加えないよう原音に忠実なサウンドを求める際に使用します。
Waves Renaissance Compressorの主な用途
こちらも各トラックに対し通常のコンプとして、楽器や歌声などソースを選ばず幅広く使えるかと思います。
マスタートラックにはあまり使わないかなと思いますが、動作も軽く操作系もシンプルで使いやすいです。
あとがき
今回は、デジタル系コンプレッサーの種類について説明しました。
DAWソフトのグレード(下位グレード、無料版など)によってはオーソドックスなコンプレッサーが搭載されていない(または操作するパラメータが少ない)場合がありますので、もし手元にない場合はDAWソフトを上位グレードにアップグレードするか、Waves等の外部プラグインメーカーのものを買う・・といった選択する必要があります。
そもそもコンプは必ず使わなければいけないもの・・ではないですが、
ある程度使えるようになると様々な音色作りやミックス処理においてクオリティーがアップします。
また最近ではiZotope社のOzoneやNeutronのようにAIを搭載したプラグインもあり、ソースに合わせて適したセッティングを提案してくれる便利なプラグインもありますので、そういったプラグインを使って音を客観的に判断したり、ある種の学習ツールとしても使えます。
機会があればぜひ様々なプラグインのコンプレッサーを使ってみてください。
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