みなさんこんにちは。
作曲家、音楽講師の植松ヨシヒロです。
このブログはDTMや作曲、その他音楽関連情報を中心に発信しております。
音に変化を加えるエフェクトのひとつに「コンプレッサー(コンプ)」があります。
音楽制作や楽器経験のない方には全く馴染みがないかもしれませんが、様々な音素材や音楽が持つ良さを最大限生かすためにとても重要なエフェクトの一種です。
また音楽に限らず声のナレーションや映像作品、テレビ番組やコマーシャルの放送関連、音に関わるもの全般的にどこかで使用されていたりします。
今回は、コンプレッサーの種類について説明します。
コンプレッサー(コンプ)とは?
音楽機材におけるコンプレッサーは、音を圧縮することで音量のバラつきや音の粒立ちを整えたりして音を加工したり、音の質感に変化を加えるために使用します。
コンプレッサーの基本については下記の記事もぜひご覧ください。
【DTM】コンプレッサーの基本について
コンプレッサーの種類
コンプレッサーの種類について以下4つの方式を紹介します。
・Tube(真空管)方式
・Optical(光学式)
・VCA方式
・FET方式
これらはかつて発売された海外メーカーのハードウェアのアナログ系コンプレッサーが中心で、実際の電気回路の方式や部品の違いにより音色変化も様々異なることでそれぞれ独特の個性となっています。
Tube(真空管)方式
真空管を使用したTube方式は今回の中で最も歴史があるタイプのコンプレッサーです。
レスポンスが遅めでアタックタイムとリリースタイムも遅めでゆっくりとかかるので、ミックスをまとめた際のマスタートラックやマスタリングで用いられることが多いです。
※代表的な機種
・Fairchild 670
・Manley Variable Mu
など
Optical(光学)方式
OpticalはOptoまたはOPT等と表記されていることもありますが、光学式と呼ばれているタイプのコンプレッサーです。
名前のとおり、回路にオーディオ信号を元に変換された光と光学センサーが内蔵されております。電球がついたり消えたりするときのようにアタックの反応速度が遅めでゆっくりとやわらかいかかり方をするので、瞬間的なピークの多いドラムやパーカッション、テンポの早いフレーズなどにはあまり適さず、ボーカルなどの平均的な音量レベルの調整などに向いていると言われています。
※代表的な機種
・Teletronix LA-2A、LA-3A
など
VCA方式
VCAはVoltage Controlled Amplifier(電圧制御増幅器)の頭文字をとったもので、その名のとおり電圧制御による増幅でコントロールする方式のコンプレッサーです。
反応速度が早めで比較的ノイズ(コンプを通すことによって加えられる音の色付け)が少なく、バストラックに挿して音にまとまりや一体感、音にパンチを与えたりする際に用いられることが多いです。
※代表的な機種
・dbx 160
・SSL Bus Compressor
・API2500
など
FET方式
FETはField Effect Transistor(電界効果トランジスタ)の頭文字をとったもので、半導体のトランジスタを用いて電圧を制御するタイプのコンプレッサーです。
VCA方式よりもさらに反応速度が早く、アタックとリリースタイムが早いのが特徴です。
反応が早く音にパンチや色付けを加え、ドラムやベース、ギターなどの楽器単体からボーカルまで幅広く使用することができますが、逆にバストラックやマスターにはお勧めしない・・と言われています。
※代表的な機種
・UREI (Universal Audio) 1176
など
あとがき
今回はコンプレッサーの種類について説明しました。
現在のDTMではプラグインエフェクトのひとつとしてアナログ系コンプがシミュレートされ、ビンテージ系コンプレッサーとして様々なプラグインメーカーから発売されています。
また、DAWソフト標準搭載のプラグインエフェクトでも名前に「Vintage」と付いているものもアナログシミュレート系の一種です。
初めは特に扱いが難しいかもしれませんが、ぜひ積極的に試してみてほしいと思います。
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