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2023年3月23日

【DTM】リミッターの基本について

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みなさんこんにちは。
作曲家、音楽講師の植松ヨシヒロです。

このブログはDTMや作曲、その他音楽関連情報を中心に発信しております。

今回はDTMにおけるリミッターの基本について説明します。

リミッターとは?

リミッター(Limitter)は、ある設定値を超える大きさの音を圧縮することで、音が設定値よりも超えないようにするためのダイナミクス系エフェクトです。

音を圧縮する意味では同じダイナミクス系エフェクトの「コンプレッサー」と同じであり似ていますが、
特にレシオに違いがあります。
コンプレッサーのレシオは多くが可変可能(1:1から8:1まで・・など)ですが、リミッターのレシオはとても高い圧縮率で固定値となっています。
多くが「∞:1」などの固定値になっているため、設定したアウトプット(Ceiling)を完全に超えることはありません。
そういったリミッターを「ピークリミッター」もしくは「ブリックウォールリミッター(Brickwall Limiter)」とも呼びます。
※ブリックウォール=レンガの壁という意味

リミッターの主要パラメータについて

リミッターのパラメータについてはプラグインによって異なりますが、今回は以下について説明します。

・Input (またはGain、Threshold)
・Ceiling (またはOutput)
・Release
・Soft Clip

Input (またはGain、Threshold)

Input(インプット)はリミッターに入力した際の音の大きさを設定します。
プラグインによってはGainやThresholdといった名前になっていますが、役割としては同じです。
数値を上げるとフェーダーのレベルメーターはそのままに聴感上の音が大きくなるので、いわゆる音圧が上がったような状態になります。
ただしInputを上げるとその分リミッティングされる音も増すことで歪みが増える場合があり、ゲインの上げすぎは音質に悪影響を及ぼします。

Ceiling (またはOutput)

Ceiling(シーリング)は出力音量の最大値を設定します。これがリミッターとして重要なポイントです。
Ceilingは英語で「天井」を意味する通り、音がこの値を超えることはありません。
もし「0dB」と設定している場合はどんな音でも0dB以内となります。
もしマスタートラックにリミッターをインサートして使用する場合は-0.1dBから−1.0dBの間で使用することが多いかと思います。

Release

Release(リリース)はRelease Timeのことで、音が元の大きさに戻るまでの時間を設定します。
プラグインによってはAuto Release(オートリリース)機能があり、オーディオ素材に合わせて最適なリリースタイムを自動的に検出するものもあります。
またプラグインによってはリリースの項目自体が無いものもあり、それらは基本的にオートリリースとなります。

Soft Clip

Soft Clip(ソフトクリップ)は、音にサチュレーション的効果を与えます。
サチュレーションとは、アナログの真空管アンプを通したような暖かみと緩やかで自然な飽和感でパンチが増す・・などと言われています。

リミッターはどんなときに使う?

リミッターの主な用途については下記のような使い方が考えられます。

・ボーカルやベース等のトラック単体にかけて使う
・マスタートラックの最終段にかけて使う

ボーカルやベース等のトラック単体にかけて使う

リミッターをトラック単体にかけることでリミッティングさせつつ、音圧を少し上げる場合にも使用することがあります。
コンプレッサーも設定次第で同じような使い方ができますが、コンプレッサーは音色の立ち上がりから消えるまでの余韻(アタックやリリース、エンベロープ)をコントロールするのに対し、リミッターはあくまで音をピーク超えしないよう設定値以下に抑えるために使用します。

マスタートラックの最終段にかけて使う

マスタートラックの最終段にかけて使うことで、マスターフェーダーが0dBのときにレベルメーターが0dBを超えないようにします。
DAWソフトで音を16ビットや24ビットのWav形式などのオーディオファイルに書き出しする際の基本として「マスタートラックのメーターが0dBを超えないようにする」という鉄則がありますので、もしマスタートラックにEQやコンプレッサーといったエフェクトを使用した場合は最終段にリミッターをインサートしておくと0dB超えを防ぐことができます。
Ceiling(Output)の値は0dB以下であれば概ね問題ないかと思いますが、一般的には-0.1dBから−1.0dBの範囲内で設定することが多いかと思います。

インプットゲインを上げることで、マスタートラックのフェーダーが0dBの状態にあってもさらに楽曲全体の音圧を上げることもできます。
こういった用途に特価したリミッターを「マキシマイザー(Maximizer)」とも言います。

※追記:マキシマイザーについてはこちらもぜひご覧ください
マキシマイザーについて

かつて音楽流通の中心が配信ではなくCD全盛の頃のような音圧が非常に高い音楽に仕上げるうえで実質必須のエフェクトでしたが、現在はそこまで高い音圧にする必要がありません。また、音圧を上げるということはそれだけ音のダイナミクス(強弱の差)が小さくなるということなので、音本来が持っていた細かい抑揚やニュアンス、せっかく仕上げたミックスバランスへの影響も大きくなります。
ですので、もしインプットゲインを上げる際は程々をお勧めします。

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あとがき

今回はリミッターの基本について説明しました。
DAWソフト標準搭載のプラグインにもLimiterやMaximizerなどがありますので、かける音があればすぐに試すことができます。
また、様々なプラグインメーカーからも有料無料問わず様々なリミッターやマキシマイザーがありますので、興味がある方はぜひ調べてみてください。


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