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2023年3月21日

【DTM】ディレイの基本について

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みなさんこんにちは。
作曲家、音楽講師の植松ヨシヒロです。

このブログはDTMや作曲、その他音楽関連情報を中心に発信しております。

今回はDTMにおけるディレイの基本について説明します。

ディレイとは一体なんなのか、基本的なパラメータの説明やその使い方などについて簡単に紹介したいと思います。
DTMの作曲や編曲における各パートの音色作りやミックス処理だけでなく、「歌ってみた音源」のミックスなどにも役に立つかと思います。
これから始める方や最近始めた方に少しでも参考になれば幸いです。

ディレイとは?

ディレイ(Delay)とは英語で「遅延」という意味ですが、エフェクトのディレイもまさに音を遅延させるものです。
遅延した音が一定の間隔で繰り返しつつ減衰していく「山びこ」や、カラオケボックスのカラオケの機械に接続されたマイクの音にかける「エコー」もディレイの一種です。
リバーブと同様に音に奥行き感や広がり感を与えることができることから「空間系エフェクト」のひとつでもあります。

リバーブと異なる点として、リバーブは無数に反射された音一つ一つを判別することができないのに対し、ディレイは繰り返された音を判別できます。
これはディレイエフェクト初期に存在した「テープエコー」の構造にも関係しているかと思います。

テープエコーについて

テープエコーはディレイ音を作り出すためのエフェクターです。
その有名な機種でRoland RE-201 Space Echoを例に説明します。

機械の中に1本の長い磁気テープが輪の状態で入っており(エンドレステープ)、
入力された音をそのテープに録音するための録音ヘッドが1つ、テープから読み取り再生するため等間隔に配置された再生ヘッドが3つ、消去するための消去ヘッドが1つ、計5つのヘッドが内蔵されていました。
磁気テープの再生スピードを変えることでディレイタイムを変えることができます。

デジタルディレイについて

現在発売されているデジタルエフェクターやプラグインエフェクトなど、現在はこちらの方式が主流です。
テープエコーの特性をシミュレートしているアナログモデリング方式もその一種です。

ディレイの主なパラメータについて

ここではデジタルディレイを例に、搭載されている主なパラメータについて説明します。

・ディレイタイム(Delay Time)
・フィードバック(Feedback)
・Dry/Wetレベル(またはMix)

ディレイタイム(Delay Time)

原音からディレイ音が鳴るまでの間隔を設定します。
多くがミリセカンド(ms)で設定可能ですが、DAWソフトで使用するプラグインはソングのBPM(テンポ)とシンクロ可能となっておりますので、比較的簡単にソングのテンポの4分音符や付点8分音符といったディレイ設定が簡単に行えます。

ディレイタイムの計算式

ちなみに、もしディレイタイムを手動で計算する場合の計算式は以下になります。

60000 / BPM = 4分音符

60000は60000ms=60秒(1分)です。
もしBPMが120の場合、4分音符のディレイタイムは60000 / 120 = 500なので500msとなります。
8分音符の場合は半分の長さなので250msとなり、逆に2分音符の場合は2倍の長さなので1000msとなります。

フィードバック(Feedback)

ディレイの音をどのくらい繰り返すのかを設定します。
フィードバック値が最小だと繰り返す回数は1回となり、フィードバック値が最大だと延々と繰り返します。

Dry/Wetレベル(またはMix)

Dryが原音、Wetがディレイ音です。
それぞれどのくらいの量に設定するかでディレイの量を調整します。
Dry/Wetではなく「MIX」という表記の場合もあります。
その場合はMix50%で原音とディレイ音が半々、100%でディレイ音のみとなります。

その他パラメータ

その他パラメータとしては、

・ローカットまたはハイカットのフィルター:ディレイ音に対し低域や高域を調整できる
・モジュレーション系:ディレイ音を変調を加えて音にうねりや広がりを加えることができる
・パン(Pan):ディレイ音のパン(定位)を右や左に動かすことができる
・シンク(Sync):楽曲のBPMと同期させるためのOn/Offスイッチ

などが設けられているものもあります。

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ディレイの使い方の例

ディレイの使い方の例として、以下のようなことが考えられます。

・ミックスの演出的な効果で使う
・音に広がりや厚みを出すために使う
・フレーズに変化を与えるために使う

ミックスの演出で使う

ミックスの中で音にディレイを加えることで立体感や奥行きを演出することができます。
ディレイタイム楽曲のBPMとシンクロさせたり適切に設定したうえで使用するのがよいかと思います。
ディレイ音があまり大きすぎると聴感上のフレーズ感が変わったり、他の音との濁りが出てしまう場合もありますので、(意図的な演出を除き)かけすぎに注意してください。

音に広がりや厚みを出すために使う

ディレイタイムをBPMシンクではなくディレイ音を数10msずらして原音と重ねることでダブリング的な効果や、さらにパンを左右に分けてステレオコーラス的な効果を出すこともできます。
この場合はモジュレーション系のパラメータも併用するとより多彩な変化を作り出せます。

フレーズに変化を与えるために使う

項目1と同じくディレイタイムをBPMシンクさせつつ、ディレイ音をあえて原音と同じくらいの大きさで出すことで聴感上のフレーズを変えることができます。
例えば4分音符のフレーズに8分音符のディレイをかけることで、フレーズが8分音符かのように聴こえます。
音作りやフレーズを考える時点でディレイ込みで考える場合も全然ありますし、アイディア次第で面白い効果を生み出せると思います。

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あとがき

ディレイの基本について説明しました。

ディレイは音作りやミックスにおいてなかなか使用頻度が高いエフェクトのひとつですが、セッティングによっては意図しない音の重なりや濁りとなってしまうことがあります。
逆にそれが予定外の面白い効果を生み、新たなアイディアが出てくることもあります。

もちろん楽曲や音色の方向性にもよりますが、ぜひ積極的にディレイを使ってみてほしいと思います。

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