みなさんこんにちは。
作曲家・音楽講師の植松ヨシヒロです。
このブログはDTMや作曲、その他音楽関連情報を中心に発信しております。
今回は2023年現在のDTMの始め方について紹介します。
「DTMを始めたいけど、まず最初にどうすればいいの?」
「自分でも調べてみたけど情報が多すぎて、逆にわからない」
といった疑問を抱きながらネット検索してここに辿り着いた方に、
その疑問を少しでも解決するためのヒントとなるブログになればと思います。
そもそもDTMとは?
DTMは「Desk Top Music(デスクトップミュージック)」の略で、
パソコン(と音楽機材)を使って音楽を作ったりして楽しむことをいいます。
ちなみにこれは和製英語で、海外ではComputer Musicといいます。
DTMを始めるために必要な機材
DTMを始めるために最低限必要なものは2つあります。
・パソコン
・DTMソフト
他にもあると便利なものがありますが、まずはこれらについて説明します。
パソコン
DTMで音楽制作するためにはパソコン(PC)は必須です。
PCについて大きく分けるとOS(PC内の基本ソフト)の違いで2種類あります。
・Windows
・Mac
必ずしも最新の新品を買わなければいけないわけではなく、
すでにパソコンをお持ちの方、もしくは予算的に中古PCでも概ね2010年代以降のものでしたら概ね使用可能かと思います。
ただ、DTMソフトのバージョンによって動作保証のOSバージョンも異なりますので、まずはPCにインストールされているOSのバージョンを確認する必要があります。
Windows
国内外の様々なメーカーがパソコンを製造・販売しておりますが、ほぼ共通して使用しているOSがWindowsで、2023年現在のバージョンは11です。後ほど紹介するDTMソフトもOSのバージョンによって変わりますので、まずはここを確認する必要があります。
すでにPCをお持ちの方はWindows10の64ビット以上であれば概ね問題ないかと思います。
Mac
Apple社が製造・販売しているiMacやMacbook、Mac miniといったパソコンを総称してMacと呼びます。
またそれらに使用されているOSも専用のmacOSとなります。
現在の主要DTMソフトは全てMacに対応していますが、ソフトとOSそれぞれのバージョンによって動作保証が若干変わる場合がありますので、Windowsと同様に動作環境を確認したほうが良いです。古いOSでしたらmacOS Catalina 10.15以上であれば概ね問題ないかと思われますが、逆にmacOSが最新すぎてもDTMソフトやプラグインがまだ対応しきれていないこともありますので要注意です。
PCのスペックについて少し触れておくと、
・メモリは8GB以上
・内蔵ハードディスクもしくは内蔵SSDは500GB~1TB以上
を推奨します。
低価格PCではメモリ4GBのものがたまにありますが、DTMはおろか通常の使用においても物足りなさを感じますのでオススメしません。
ソフトウェアには必ずPCの動作保証環境の記載がありますので、必ず確認してください。
DTMソフト(おすすめ6選)
DTMソフトはDAW(Digital Audio Workstation)ソフトとも呼ばれます。
現在のDTMソフトはソフトシンセで楽器の音色を使ってフレーズを演奏させるだけでなく
マイクやギターを接続して生音を録音・編集なども可能となっており、
ミックス処理をソフト内で行なって楽曲を完成させることもできます。
DAWソフトの例として、下記の6種類を簡単に紹介します。
・Cubase Pro 12(WindowsとMacそれぞれ対応)
・Studio One 6 Professional(WindowsとMacそれぞれ対応)
・Apple Logic Pro(Macのみ対応)
・Avid ProTools(WindowsとMacそれぞれ対応)
・Ableton Live 11(WindowsとMacそれぞれ対応)
・FL Studio 20(WindowsとMacそれぞれ対応)
Cubase Pro 12(WindowsとMacそれぞれ対応)
ドイツのスタインバーグ社のCubaseは日本ではヤマハが取り扱っており、日本国内のユーザー数が最も多いDAWソフトのひとつとも言われています。
どの音楽ジャンルにおいても幅広く制作することができます。
グレードによってPro、Artist、Elementsがあり、オーディオIFとのバンドル等でAI、LEもあります。
Studio One 6 Professional(WindowsとMacそれぞれ対応)
Presonus社のStudio OneはDAWソフトの中では比較的後発に登場しましたが音質と直感的な使いやすさに定評があるDAWソフトです。
新規購入はもちろん他社DAWソフトから乗り換える方もとても多いとも言われています。
無料版のStudio One Primeと、有料版のProfessional、Artistがあります。
Apple Logic Pro(Macのみ対応)
https://www.apple.com/jp/logic-pro/
Apple社のLogic ProはMacOSを開発しているApple社が直々に開発・販売しています。他社DAWソフトに比べて比較的安価で、制作に必要な機能やプラグインが全て揃っています。
App Storeからのダウンロード販売のみとなっています。
Avid ProTools(WindowsとMacそれぞれ対応)
Avid社のProToolsは国内外のレコーディングスタジオ等で数多く導入されており業界標準とも言われているDAWソフトです。
レコーディングやオーディオの編集機能に定評がありますが、作編曲のメインDAWソフトとして使用している方も数多くいます。
無料版のProtools Firstと、サブスク型のPro Tools Artist、Pro Tools Studio、Pro Tools Ultimateがあります。
Ableton Live 11(WindowsとMacそれぞれ対応)
Ableton社のAbleton Liveは直感的な操作性で楽曲制作はもちろんライブパフォーマンスでの使用でも定評のあるDAWソフトです。
特にダンスミュージックの制作においてAbleton Liveを使用しているクリエイターが数多く存在します。
グレードによってIntro、Standard、Suiteがあります。
FL Studio 20(WindowsとMacそれぞれ対応)
Image Line社のFL Studioはその操作性からダンスミュージック(特にEDM系やループ主体の音楽)の制作において定評のあるDAWソフトです。
グレードによってFruity、Producer、Signature、Signatureがあります。
DTMでパソコンを使うメリット
実のところiPhoneやiPad、Andoloidスマホやタブレットも音楽制作用アプリがあるので
PCがなくてもある程度作れたりします。
また、スマホやタブレットならではの
指で画面を触れる直感的でわかりやすい操作性は
2023年現在のPCではあまり一般的ではありません。
ですが、制作するために1画面で表示する情報量やその密度は
スマホの画面では小さいですし、
画面サイズが比較的大きめのタブレット用も多機能になってきたとはいえ
PCのほうがまだまだ優位であることに加え、周辺機器の豊富さもPCに軍配が上がります。
あなたがもし、
・自分の作品をネットで販売したい
・将来他のクリエイターとコラボしたい
・プロの作曲家・クリエイターとして目指したい
といったことを考えているなら
パソコンを使ったDTMをオススメします。
あると便利な機材5選
人によっては今すぐ無くてもいいですが、あると役立つなものは
・USB MIDIキーボード
・ヘッドホン
・スピーカー
・オーディオインターフェース
・マイク
などがあります。
USB MIDIキーボード
USBで接続するタイプのMIDI鍵盤です。
価格が安いものは数千円から、高いものは数万円前のものもあり
鍵盤のサイズや鍵盤数によって変わります。
(例)
KORG microKEY2-37
またメーカーによって同梱品の有無に違いがあります。
MIDIキーボード自体には楽器の音が含まれておらず、
DAWソフト内で読み込んだ音色を使って演奏したり入力することができます。
ちなみにMIDIとは「Musical Instrument Digital Interface」の略で
メーカーや機種に関わらず電子楽器同士やコンピュータ等を接続・通信するための共通規格です。
※MIDIキーボードの選び方については下記もご覧ください
【DTM】MIDIキーボードを選ぶポイント5項目
ヘッドホン(またはイヤホン)
パソコンまたはオーディオインターフェースの音声出力に挿して使用します。
価格は数千円から数万円以上あり、
スマホ付属のイヤホンが手元にあるなら
端子的に問題なく挿せれば初めはそれでもよいかと思います。
作曲自体はパソコン内蔵スピーカーでも問題なく可能ですが
エレキベースやバスドラムなど低音の再生において音質的に弱いものが多く、
その音だけを聞いて正確に判断するのが困難です。
また、住居や周りの環境的に(特に夜間は)音を出しにくい方も多いかと思います。
ですのでヘッドホンかイヤホンを用いて制作したほうが
音の再現性含め、なにかと集中できます。
できれば音楽制作で用いられるモニターヘッドホンをおすすめします。
(例)
SONY MDR-M1ST
【※注意】
長時間の使用や音量で耳の負担や難聴にならないよう注意してください。
音質はメーカーや種類によって様々ですが、
低音や高音が変に強調されていない、なるべくフラットな特性のものを選んでください。
※ヘッドホンの選び方については下記もご覧ください
【2023年】DTM用途で選ぶモニターヘッドホン 5選
スピーカー
メインのヘッドホンがあればスピーカーがなくても概ね問題ありませんが
先述の長時間使用による耳の負担でしたり、
人によってはそもそも装着による不快感を感じる方もいらっしゃるかと思います。
その場合はスピーカーを用いたほうが負担が軽いです。
価格は1万円前後もあれば数万円以上とヘッドホン同様ピンキリで、音質も様々です。
音楽制作においても音色作りやミックス処理において非常に役立ちますので
ご自身のご予算に応じてぜひ検討してみてください。
(例)
IK Multimedia iLoud Micro Monitor
オーディオインターフェース(Audio IF)
パソコンのUSBまたはThunderbolt等で接続して使用します。
Audio IFがなくてもPCの音声出力があればDTM自体は可能ですが、
DTMでマイクやギターなどの楽器を録音したい方は必須です。
またPC内蔵の音声出力よりも音質的に有利だったりしますし、
ソフトシンセとMIDIキーボードでリアルタイム入力や演奏したい方も
オーディオインターフェースを用いることをオススメします。
価格は1万円前後もあれば数万円以上と幅広いです。
また機種によってOSの対応可否や接続端子が変わる場合もありますので
ご予算とご自身のPC環境を踏まえたうえで選んでください。
(例)
Steinberg UR22C
マイク
もしご自身が歌唱してオリジナル曲や”歌ってみた音源”を作りたい場合は必要です。
あくまで仮の仮としてであればPC内蔵のマイクでもよいかもしれませんが、
ボーカルトラック用として使うのは音質面で非常に厳しいかと思います。
マイクには以下のとおりダイナミック型とコンデンサー型があります。
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは大音量や衝撃などの耐久性が高く、比較的扱いやすいものが多いです。
特にボーカル用は手で持って使用することができる「ハンドヘルド型」はカラオケやライブパフォーマンス等で使用されることが多いので、最も馴染み深いタイプかと思います。
また、ギターアンプやドラムなど楽器の集音に使われるタイプ(例:SHURE SM57-LCE
など)もあります。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは主にレコーディングで使用します。衝撃に弱いので専用ショックマウントとともにマイクスタンドに固定させて使用します。
ダイナミック型と比べて感度が高く、繊細でレンジの広い音を集音することができますが、その分周辺の音(空調やPCのノイズ)を拾ってしまう場合もあります。
また、マイクケーブルを介してミキサーやオーディオインターフェース側から「ファンタム音源」の供給を必要とします。
最近ではUSBでPCに直接接続できるタイプもありますが
一般的にはオーディオインターフェースのAudio Inputに接続します。
そのためオーディオインターフェースを持っていない方は
マイクと一緒に購入する必要があります。
※こういったマイクとオーディオインターフェースとのセット商品もあります
音楽経験なくてもできるの?
「楽器に触れたことないし譜面も読めないけど出来るの?」
「作曲したことないけど作れるようになるの?」
始める前はこういった疑問を抱きます。
確かに楽器や音楽経験が無いよりあったほうがよいです。
ですが、そういった経験がなくても楽しめるのがDTMです。
むしろDTMを通じてこれから楽しみながら経験を積めばよいのです。
誰もが初めは未経験ですし、あらゆる知識や技能全てを覚える必要はありません。
まずは自分が楽しむことを第一に、
そのうえで必要なことに向き合って少しずつ触れていけばいいと思います。
ネット検索すればこういったWebページやYouTube動画がすぐに出てきますし、
書籍も数多く販売されていますので、独学でもある程度スキルアップが可能です。
あとがき
今回はDTMに必要な機材について紹介しました。
以前はPCも音楽機材も値段がどれも高価で、揃えるべき必要な機材も現在より多く
敷居が高かったです。
もちろん現在も機材によっては高価なものがありますが、
DTMを始めるための敷居はずいぶん低くなりました。
やりたいことにもよりますが、まずはPCとソフトさえあれば誰でもDTMを始められます。
かつては夢だった「オリジナル曲の全世界リリース」も可能となりました。
ネット上にも様々な情報が数多くありますのでぜひ調べてみてください。
ですが、
・逆に情報が多すぎてどれを選べばよいかわからない
・DTMや作曲するための最初の取り掛かりがわからない
ということも多々あります。
そして「相談できる身近な友人知人がいない」方もいらっしゃるかと思います。
そういう方にオススメしたいのが「音楽スクールに通う」ということです。
イーサンミュージックスクール
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